〒135-0033 東京都江東区深川1丁目1番2号 協和ビル2階18
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「多重債務状態に陥っているが、生活の本拠であるマイホームだけは維持したい」
門前仲町や豊洲、清澄白河など、江東区周辺にお住まいの給与所得者の方々から、当事務所に数多く寄せられる切実なご相談です。住宅ローンの返済に加え、消費者金融やクレジットカードの債務が膨らみ、いわゆる多重債務状態に陥ってしまうケースは決して珍しいことではありません。
このような事案において、住宅を維持しながら債務の抜本的な整理を図る法的手続きとして「個人再生(住宅資金特別条項の利用)」が極めて有効な手段となります。
しかしながら近年、都内(特に湾岸エリア)における急激な不動産価格の高騰により、「法律上、個人再生の申し立てにメリットが見出せず、事実上手続きの利用が困難となる」という事案が頻発しております。
その背景にある法的課題が、不動産の「アンダーローン」化と、民事再生法が定める「清算価値保障の原則」です。
本稿では、持ち家を有する方が個人再生を検討するにあたり、実務上不可避となるこれらの法的課題について解説いたします。
1. 住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の法的性質
個人再生手続(小規模個人再生等)は、裁判所の認可決定を受けることにより、抱えている債務を大幅に減額し(最大で5分の1程度、下限100万円)、原則3年(最長5年)の分割払いで弁済していく制度です。
この手続きにおいて、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用すると、住宅ローンに係る債権については減額の対象から除外し、約定通り弁済を継続することで、抵当権の実行(競売)を阻止し、自宅への居住を継続することが可能となります。自己破産手続においては原則として自宅を手放すことになりますから、生活再建を図るうえで極めて有効な法的手段と言えます。
しかし、この特則を利用して真に債務圧縮の恩恵を受けられるか否かは、当該不動産の担保価値とローン残高のバランスに大きく左右されます。
2. アンダーローンとオーバーローンの法的評価
不動産の査定価値とローン残高の関係性は、実務上以下の二つに分類されます。
⑴ オーバーローン状態(従来型)
「不動産の時価評価額」よりも「住宅ローン残高」が上回っている状態です。
(例:時価3,000万円 < ローン残高4,000万円)
この場合、不動産を換価してもローンを完済できないため、当該不動産について破産者に帰属する財産的価値はないものと評価されます。結果として、個人再生手続において不動産の価値が足かせとなることは少なく、円滑に手続きを進めることが可能です。
⑵ アンダーローン状態(近年増加傾向)
「不動産の時価評価額」が「住宅ローン残高」を上回っている状態です。
(例:時価5,000万円 > ローン残高2,000万円)
この場合、不動産を換価しローンを完済すれば3,000万円の剰余金が発生することになります。すなわち、債務者自身が「3,000万円相当の積極財産を保有している」と法的に評価されることになります。近年、不動産価格の著しい上昇により、購入時のローン残高を現在の時価が大きく上回る事案が急増しています。
3. 清算価値保障の原則
アンダーローン状態(多額の財産的価値を有している状態)にあることが、なぜ個人再生において問題となるのでしょうか。それは、民事再生法において厳格に運用されている「清算価値保障の原則」が適用されるためです。
清算価値保障の原則とは、「個人再生手続における計画弁済総額は、仮に債務者が破産手続を選択した場合に債権者に配当されるであろう財産価値(清算価値)を下回ってはならない」とするルールのことです。要するに、債権者の利益を保護するため、「最低でも、今持っている財産をすべて現金化した金額と同等以上の返済を求める」という基準です。
【具体例による検証】
江東区内にマンションを所有するAさんの事案で検証します。
① 一般債務(消費者金融等):600万円
② 住宅ローン残高:3,000万円
③ 自宅マンションの現在時価:5,000万円
この事案では、時価(5,000万円)からローン残高(3,000万円)を控除した「2,000万円」が、A氏の保有する財産(清算価値)として計上されます。
清算価値保障の原則に照らし合わせると、Aさんが個人再生によって弁済すべき最低額は「2,000万円」となります。
しかし、Aさんが圧縮を希望している一般債務の総額は「600万円」です。すなわち、個人再生の申し立てを行っても債務は1円も減額されず、法律上手続きを採る実益が存在しないという結論に至るのです。住宅ローン特則の要件自体は満たしていても、この清算価値保証原則により、やむなく別のアプローチを模索せざるを得ないケースが増加しています。
4. アンダーローン事案における実務的な解決アプローチ
多額の清算価値が算定され、個人再生の利用が困難な事案であっても、生活再建への道が閉ざされたわけではありません。当事務所では、事案の個別具体的事情に応じ、以下のような実務的対応を図ります。
⑴ 適切な不動産査定に基づく清算価値の再評価
裁判所へ提出する不動産査定書は、複数の不動産業者から取得し、その平均値や中央値を採用する運用が一般的です。買取業者の強気な査定額ではなく、より保守的かつ実勢に即した適正な査定額を提示する評価書を採用し、裁判所へ論理的な説明を行うことで、適法に清算価値を引き下げ、再生計画の認可要件を満たすよう努めます。
⑵ 「任意整理」への方針転換
清算価値の制約により個人再生が適さない場合、裁判所を介さない「任意整理」を検討します。
各債権者と個別に和解交渉を行い、将来利息の免除や返済期間の延長(通常3年〜5年)を取り付けることで、月々の返済負担の軽減を図ります。任意整理には清算価値保障の原則が適用されないため、アンダーローン状態であってもマイホームを維持しながら手続を進めることが可能です。
⑶ 「任意売却」を通じた抜本的整理
債務額や月々の収支状況から任意整理での完済が極めて困難な場合は、「任意売却」による根本的な解決も有力な選択肢です。
アンダーローンの最大の利点は、「売却すれば手元にまとまった資金が残る」という点にあります。高値で売却を成立させることで、住宅ローンのみならず一般債務もすべて一括弁済し、残余金を元手に新たな生活環境を整えるという、積極的かつ前向きな再建計画を策定することが可能です。
【まとめ】正確な財産評価と法的判断の重要性
「現在の時価相場が分からない」「自分のケースで個人再生が可能なのか判断がつかない」 不動産という高額な資産が絡む債務整理は、単純な債務額の計算だけでは完結しません。
自己判断やインターネット上の情報のみに頼り手続きを進行させることは、後に「想定した減額効果が得られない」といった重大な不利益を被るリスクを伴います。
当事務所では、これまで多数の債務整理事案を扱ってきた経験を活かし、ご相談者様の実状に即した最適な法的解決策をご提案いたします。借金問題とマイホームの維持でお悩みの方は、是非お早めに当事務所の無料相談をご利用ください。
多重債務でお困りの方は、一人で悩まず早めに相談をすることが大切です。
借金返済のために、さらにお金を借りるのではなく、生活再建に向けての債務整理を一緒に考えましょう。
初回の相談料が無料となっていますので,お一人で悩まずにまずは一度、ご相談ください。
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