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遺産分割協議を進めたいのに、共同相続人の一人が行方不明で連絡が取れないといったケースは少なくありません。このような場合に活用できるのが、「不在者財産管理人」の制度です。本記事では、不在者財産管理人の制度趣旨から、具体的な選任手続、管理人の権限や職務内容について、裁判所の運用実務も踏まえて詳しく解説いたします。
1.不在者財産管理人制度の概要
民法上、「不在者」とは「従来の住所または居所を去って容易に帰来する見込みのない者」を指します。これは生死が不明な場合だけでなく、生存していても行方が分からない場合も含みます。
本制度の主目的は、不在者本人の財産が朽廃したり散逸したりすることを防ぎ、本人の利益を保護することにあります。また、残された配偶者や相続人などの利害関係人の保護や、財産が放置される状態を解消するという社会公益的な配慮も兼ね備えています。
現行の民法は、不在者を2つの時期に分けて規定しています。第1期では「本人が生きている」と推測して財産を管理し帰来を待つ本制度(不在者財産管理人制度)が適用されます。一方、第2期では「死亡したもの」とみなして法律関係を確定させる「失踪宣告制度」という構造がとられています。
2.管理人の選任手続と管轄
不在者が従来の住所や居所を去り、財産の管理人がいない場合、家庭裁判所に対して管理人の選任を申し立てることができます。
不在者の配偶者、相続人にあたる者、債権者などの「利害関係人」、または「検察官」が申立てを行うことができます。
不在者の従来の住所地(不明な場合は居所地、それも不明な場合は最後の住所地)を管轄する家庭裁判所が管轄となります。
申立てには、申立書のほか、不在者の戸籍謄本・戸籍附票、不在の事実を証する資料(行方不明者届受理証明書や返戻された郵便物など)、財産目録や不動産登記事項証明書などの提出が求められます。手続費用として、不在者1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手が必要です。さらに、事案に応じて数十万円程度(50万円など)の「予納金」を納付しなければならない場合があります。
管理人となるための法的な資格制限はありません。不在者の親族が選任されることもありますが、適任者がいない場合や、財産規模、利害関係の有無等を裁判所が考慮し、弁護士や司法書士などの専門家が選任されるケースも多々あります。なお、管理人は1人に限定されず、複数人が選任されることも可能です。
3.管理人の地位と職務
不在者財産管理人は、破産管財人のような独自の地位ではなく、あくまで「不在者のための法定代理人」という位置づけになります。本人の権利能力や行為能力が制限されるわけではないため、帰来した不在者本人が行った契約などは有効です。管理人には、主に以下の職務と義務が課せられます。
善良なる管理者の注意をもって財産を管理する義務を負います。
就任後、相当な期間内に財産目録を作成し、裁判所に提出する必要があります。
裁判所からの求めに応じ、財産状況の報告や管理状況の計算を提出し、裁判所の一般監督を受けます。
4.権限外行為(処分行為)と家庭裁判所の許可
不在者財産管理人の権限は、原則として民法103条が定める「保存行為」や「利用・改良行為」に限られます。これを超える「処分行為」を行う場合は、家庭裁判所の「権限外行為許可」を得る必要があります。
遺産分割協議への参加、不動産の売却、訴訟の提起、相続の承認や放棄などが処分行為に該当します。許可を得ずにこれらの行為を行った場合、無権代理行為となり、本人の追認がない限り無効となります。
裁判所の実務では、不在者に不利な内容の遺産分割協議には許可が出ません。特別受益や寄与分が認められるような例外的な事案を除き、少なくとも不在者の「法定相続分」が確保されている必要があります。
権限外行為を行う「必要性」が厳格に審査されます。例えば、共有地の売却代金を安全な銀行預金にする場合であっても、不在者にとって不利であると認める特別の事情がない限り許可されないとした裁判例が存在します。
5.管理人の報酬と権限の消滅
家庭裁判所は、管理人に対して管理・返還に関する相当の担保を提供させることができます。また、財産の多寡や管理の難易などの諸事情を考慮し、不在者の財産の中から管理人に相当の報酬を与えることができます。ただし、管理人自身が本人と利益相反関係にないことが前提です。
管理人の権限は、以下のような事由により消滅します。
ア 不在者本人が帰来し、自ら財産管理を行えるようになったとき。
イ 本人が死亡したことが判明したとき。
ウ 不在者に対して失踪宣告の審判が確定したとき。
権限が消滅した場合、管理人はまず家庭裁判所に管理人選任の取消を求める必要があります。また、事務引き継ぎに際して善管注意義務を尽くし、保管金を後任者に引き継ぐ義務などを負います。
6.委任管理人がいる場合の特則
不在者本人が生前に自ら管理人(委任管理人)を置いていた場合、原則として国家は干渉すべきではありません。しかし、本人の生死が不明となりコントロールが不可能になった場合には、本人の利益等を考慮し、家庭裁判所は利害関係人等の請求によって委任管理人を「改任」することができます。
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